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与野党決戦 火ぶた(衆院選公示)

与野党決戦 火ぶた(衆院選公示)

与野党決戦 火ぶた(衆院選公示)
衆院選岩手3区のポスター掲示板=奥州市内

 第50回衆院選は15日、公示された。自民、公明の連立与党と、立憲民主党など野党勢力が争う政権選択選挙。胆江2市町を含む岩手3区は届け出順に、自民党の前職藤原崇氏(41)、立憲民主党の前職小沢一郎氏(82)が立候補し、前回選と同じ顔ぶれの与野党一騎打ちとなった。本県は10日告示の参院岩手選挙区補欠選挙と投開票が同日(27日)の「ダブル選」となり、秋の政治決戦の攻防は激しさを増す。

岩手3区、前職2氏一騎打ち

 2021(令和3)年10月以来の総選挙で、1日の内閣発足から8日後の解散、26日後の投開票はともに戦後最短。自民党派閥裏金事件を受けた政治改革や経済、人口減少対策などを争点に、与野党が12日間の舌戦の火ぶたを切った。
 5選を目指す藤原候補は15日、北上市鬼柳町の選挙事務所で必勝祈願の神事と開所式に臨んだ。支援者や北上市長、金ケ崎、西和賀両町長ら約70人が出席。海鋒守総括責任者が「地元のために活躍してくれる候補者を再び国会へ送り出そう」と結束を呼びかけた。
 さくら野百貨店脇での「第一声」には多くの支持者らが来場。平野達男選対本部長が「厳しい選挙だが、藤原の行動力、若さ、地域に対する思いをぜひくんでいただきたい」と支援を求めた。公明党の奥州市議もマイクを握り激励した。藤原候補は第一声の冒頭、党派閥裏金事件などで招いた政治不信に触れ、「心よりおわび申し上げる」と頭を下げて謝罪。「しっかりと襟を正して、またこの地域のために頑張っていく」と決意を語った。全員での「勝つぞ」コールで気勢を上げた。藤原候補は奥州市などでも第一声を行った。
 小沢候補の選挙事務所開きは同日、選対役員ら約50人が集まり、水沢東町の現地で行われた。来賓として推薦団体の連合岩手役員らのほか、胆江地区からは奥州市議と金ケ崎町議の計7人も出席。神事に続き、高橋浩総括責任者が「岩手は衆院選と参院補選のダブル選挙。政治の信頼回復と政権交代実現のために何としても勝利しなければならない」と団結を呼びかけた。
 引き続き行われた出陣式では、立民県連選対本部長代理の横沢高徳参院議員が「政治の姿勢が問われている重要な選挙。自己中心的な考えで国民の信頼を裏切る人たちに日本の未来を任せるわけにはいかない。日本を立て直すためには政権交代が必要だ」と激励。高橋総括責任者がダルマに目入れを行い、出席者全員が勝つぞコールで必勝を誓った。小沢候補は16日午後2時半から水沢のメイプル前で第一声を上げる予定。
 県内3小選挙区には3政党7人が立候補。政治の信頼回復、物価高や賃上げといった経済政策、人口減への対応、地域振興などの課題を巡る舌戦に突入した。
 藤原氏と小沢氏の一騎打ちとなった前回選は、藤原氏が11万8734票を獲得。小沢氏に9372票差で競り勝った。小選挙区で初めて敗れた小沢氏は比例で復活し18選した。
 衆院の定数は465(小選挙区289、比例代表176)で、233が過半数。小選挙区の「10増10減」を受けた新たな区割りで行われる初めての選挙となる。

※おことわり……ここまでの記事は10月16日付の紙面に掲載されたものです。以下の2候補者の選挙区内における第一声は10月17日付紙面に掲載されたものです。

与野党決戦 火ぶた(衆院選公示)
【藤原崇候補の略歴】出身地:西和賀町/最終学歴:明治学院大法科大学院修了/主な経歴:内閣府大臣政務官兼復興大臣政務官、財務大臣政務官/職業・役職:弁護士、党県第三選挙区支部長/当選回数:4回/年齢:41歳

藤原 崇(ふじわら たかし)候補 「明るい未来をつくる」

 まずは政治不信を抱かせてしまったことに、心よりおわびを申し上げたい。しっかりと襟を正し、この地域のために頑張っていく。
 県南地域は東北でも有数の産業集積地であり、この地域に一時的にいる方々の定住化を進めたい。そのためには少子化対策の子育て支援や定住環境を良くしていくことなどが重要。国と県と市町村が連携することで、良い岩手がつくれる。引き続き連携し、県南を豊かにしたい。また、米を農政のど真ん中に戻し、農業を地域の大きな産業にしていきたい。
 人口減少の中、中山間でも安心して生活できる未来をつくらなければならない。それをつくるのは、今回の選挙戦で私しかいないと自負している。お話を聞き、汗を流して20年、30年と皆さまのために働いていく。
 ILC(国際リニアコライダー)を含め、岩手の未来のため、まだまだ取り組まなければならないことがたくさんある。今、大事なのは次の世代の種をまくこと。人口減少の中でも明るい未来をつくっていく。
(15日、北上市内での第一声)


与野党決戦 火ぶた(衆院選公示)
【小沢一郎候補の略歴】出身地:奥州市水沢/最終学歴:慶応大卒/主な経歴:自治大臣、新進党党首、自由党党首、民主党代表、生活の党代表、自由党代表/職業・役職:立憲民主党衆院選総合選対本部長代行/当選回数:18回/年齢:82歳

小沢 一郎(おざわ いちろう)候補 「政権交代成し遂げる」

 皆さんの温かく力強いご支援で、半世紀にわたり政治活動を続けることができた。私が最初に立候補した時、皆さんにお約束したのが、日本に議会制民主主義を定着させること。私はこの目標に向かい、迷わず突き進んできた。政権交代により権力の腐敗を防ぐのが民主主義の最大の利点。それは国民の皆さんの一票一票に懸かっている。
 長い政治生活で、そろそろ次の世代に引き継ぎたい。そういう気持ちを強く持っている。しかし皆さん、今の自民党政治はどうでしょうか。何としても政治や社会の状況を立て直してから、次の若い世代に引き継ぎたい。政権を変えて、権力の腐敗を一掃しなければならない。もう一度、政権交代を実現するしかない。
 人口減少は国を滅ぼす最大の要因。自民党の政策にストップをかけ、都市も地方も安心して皆が子どもを生み育てられるようにしなければならない。今日まで支えてくださった地元の皆さん、私の思いをくんでいただき、お力添えをお願いしたい。
(16日、奥州市内で第一声)